2011年11月 天空茶会(第二葉)

【文山包種茶】淹れ手:佐藤 正夫
文山包種茶は、烏龍茶の中では、発酵度が低く(15%~20%前後)緑色がよくのこっています。緑茶の爽やかさと、烏龍茶の芳醇な味わいを兼ね備えています。香りは鈴蘭にも例えられますが、穏やかで静かです。200年ほど前に、福建省か移り住んだ茶農家が、改良を重ね現在に至っています。福建省では、昔お茶を紙で包み、パッケージにしたところから『包種茶』の名前になったと伝えられております。 

【東方美人】淹れ手:鎌形 あかね
台湾桃園県産、青心大有(ちんしんたーふぁ)種の東方美人です。
ミドリウンカの噛んだ葉をていねいに一芯二葉で摘み取られた葉で作られます。 ウンカ・・・と言えば稲にとっては害虫ですが、不思議なことにウンカが噛んでくれないと東方美人はできません。ウンカのお陰で独特の香りが生まれます。/南国の果物の様な甘い香りをお楽しみください。 

【武夷岩茶(奇蘭)】淹れ手:水原 光子
奇蘭は福建省武夷山の烏龍茶です。岩茶特有のしっかりとした味わいと名前の通り蘭の香りが広がる華やかなお茶です。烏龍茶は身体が温まるのでこの季節はお勧めのお茶です。お楽しみ下さい。 

【武夷岩茶(巌水仙)】淹れ手:若井 桂子
昔から「丹山碧水」とも呼ばれる景勝地「武夷山」の岩肌で育まれている武夷岩茶。その中にあって、「巌水仙」は華やかではありませんが、さまざまなシチュエーションに合わせられるスタンダードな岩茶です。強過ぎないロースト香が寒い季節にはより美味しく感じられ、また、冷えた体をしっかり温めてくれます。柔らかいけれどしっかりした味わい、微かに感じられる酸味、飲んだ後に長く残る回甘(岩韻)を引き出せるように献茶させていただきます。 

【翠峰高山茶(2011年春)】淹れ手:水越 知子
産地 台湾・南投県仁愛郷翠峰山/海抜1800~2000mの翠峰茶区で栽培された高山茶です。朝晩霧が覆い、昼夜の温度差が激しい高山茶特有の気候が、花のような香りとほんのり甘みのある清らかな味わいの茶葉を育てます。心まで洗われるような清々しさをじっくりお楽しみください。 

【上・凍頂烏龍茶】淹れ手:越智 直子
凍頂烏龍茶は、19世紀に台湾の凍頂山で、大陸から伝えられた茶の苗を栽培したことが始まりです。
長い年月の中で産地は広がり、現在では台湾を代表する烏龍茶として日本でも広く認知されています。 揉捻によって固められ丸くコロコロした可愛らしい茶葉の外観、緑茶のように爽やかな透明感のある水色、滑らかに舌の上を滑るすっきりした味わい、茶杯にほのかに残る甘い香り、を是非お楽しみ下さい。 

【祁門紅茶】淹れ手:近藤 智子
安徽省祁門県で作られている祁門紅茶は、インドのダージリン、スリランカのウバと並ぶ世界三大紅茶の一つです。水色は赤ワインを思わせるような、鮮やかな紅色。祁門香と呼ばれる蘭の花に似た香りと、ほのかに感じられる甘味が特徴の芳醇な紅茶です。 

【坦洋工夫紅茶】淹れ手:高橋 麻由美
8月に香港でTea fair が有り行ってみました。 大陸も今紅茶に力を入れているようで、ブースも多くありました。
色々と試飲をして私が美味しいと感じたお茶が坦洋工夫紅茶でした。福建省の東部、福安市坦洋村の茶で福建省の三大工夫紅茶(白琳、政和)の内の一つです。ほんのり蜜香の中国紅茶をTea fairの模様と香港旅でのお話しを交えておいれ致します。 

【鳳凰単欉 杏仁香】淹れ手:小林 真由美
鳳凰単欉(ほうおうたんそう)は、中国広東省潮州市の鳳凰山脈一帯で栽培される烏龍茶です。
単欉」とは独立した1本の茶の樹という意味です。単独の1本の木から採取した葉だけで製茶し、それ以外の茶葉を混ぜることなく仕上げます。鳳凰単欉は花や果実等の香りの種類で命名されたものが多くあり、その種類は50種類以上と言われています。今回は、日本では珍しい「杏仁香」を用意しました。杏仁豆腐のような甘い香りが感じられるかどうかは…当日のお楽しみです。飲んだ後に残る味の余韻は「山韻」と呼ばれており、晩秋にぴったりの深い味わいをご賞味ください。 

【重火焙煎鉄観】淹れ手:山川 幸代
日本でもよく知られている鉄観音茶は、福建省泉州市安渓県が原産の烏龍茶です。最近は消費者の好み!に合わせて清香型の爽やかな鉄観音が多く見受けられますが、今でも昔ながらの焙煎を強くした鉄観音茶を作り続けているところもあります。昔ながらの鉄観音は、飲んでしばらくした後の「回甘」が独特です。ぜひ、鉄観音ならではの「音韻」と呼ばれる味わいをお楽しみください。 

【2008年 勐海七子餅茶(熟茶)】淹れ手:樋下田 節子
プーアル茶の産地として有名な雲南省シーサンパンナの勐海で作られたお茶です。
丸く平らに固められたお茶を7枚重ねて竹の皮で包まれていたことから、七子餅茶と名づけられました。 芳醇で深い味わいがこのお茶の特徴です。とろっとしたまろやかな口当たりで何煎でもお飲みいただけます。
煎を重ねながら、ほっこりまったりとしたひとときをお楽しみください。 

【2002年 今雨軒野生古茶樹餅茶(生茶)】淹れ手:高橋 麻記
樹齢1000年の茶樹の葉を用いた緑茶を自然発酵させた2002年製造のプーアル生茶です。9年の年月が経っているため、青さが抜け、豊かな香り、まろやかな味わいに変化しています。順調に育っている生茶のおいしさをぜひ味わってください。 


【蓋碗茶藝】淹れ手:侯 れいな
今回は『こもれび』という曲に合わせて茶芸を披露致します。
作曲者のこたにじゅんさんがこの曲に込められた「晴れた暖かい日に優しい気持ちになっていただければ幸い」という気持ちを乗せて、私も茶芸をご覧になってくださった皆様に感動と幸福をお届けできるよう頑張ります。
どうぞよろしくお願いします。