【緑茶】 龍井茶(2011年) 淹れ手:侯 れいな
唐や宋時代の詩人達に愛された都市・浙江省杭州市で育まれ、中国十大銘茶の一つとして有名になった龍井茶は、中国緑茶を代表するお茶で『四絶』(色・香・味・姿の四つの要素が整っている)として賞賛されています。
普段あまり中国茶に馴染みのない方でも日本の緑茶との違いを感じることができ、中国茶の様々な奥深さをお楽しみいただけます。
目で見ては色を楽しみ、飲んでは香と味を楽しみ、その後は湯をさして瑞々しく戻った美しい茶葉の姿をご堪能ください。
【緑茶】 径山茶(2011年) 淹れ手:松田良子
径山茶は浙江省杭州市にある「径山寺」や周辺で栽培され、採取時期は3月下旬から4月下旬で柔らかい新芽の一芯一葉か二葉の部分だけを使って造られる緑茶です。径山寺で栽培されたのがこのお茶の始まりと言われています。径山寺は唐時代からの古刹で宋時代には日本の高僧たちが仏法を学んだ日本とゆかりの深いお寺で、日本の茶道ともまた深い縁のあるお寺です。茶席のお茶は新茶でその爽やかな香りと上品な甘みをお楽しみ下さい。
【白茶】 白牡丹 淹れ手:鎌形 あかね
体内の悪い毒を取り、解熱作用があるとされ、夏にも好んで飲まれます。
他にも二日酔い・夏バテなどに効用があると言われています。茶葉を摘んだ後、自然にしおれさせます。
その後、火入れをして乾燥させます。工程が少なく、自然に近いお茶です。茶湯の色は淡く、素朴な味が特徴です。一芯二葉で摘んだ葉で作るのが白牡丹です。
【青茶・中国】 伝統鉄観音 淹れ手:樋下田節子
福建省安渓を代表する名茶、鉄観音。中国十大銘茶のひとつとして称えられるこのお茶は、ランクや品種などにより味や香りも様々です。
今回は、伝統的な発酵・焙煎でじっくり作られた鉄観音をご用意しました。
現在、青々しい緑茶のような鉄観音が主流になっていますが、それとは一味違った深みのある味わいと、蜜のような甘さをお楽しみいただけます。
【青茶・中国】 蜜蘭香単叢 淹れ手:杉山幸代
蜜蘭香単叢は、中国広東省潮州市潮安県で栽培されている広東省を代表する烏龍茶(半発酵茶)です。
「単叢」とは、茶樹の一つひとつの株を独立して植え、複数の茶樹を混ぜることなく、一株から出来た樹の葉だけから製茶する茶葉の意味です。
同一種であっても、樹齢を重ねるにつれ茶樹それぞれの個性が出てきます。
その個性を活かす為、「単叢」で仕上げます。
蜜蘭香とは、香りのタイプでつけられた名称です。
その名前の通り花や柑橘系の果実を思わせる甘ずっぱくフルーティな蜜の香りと、香ばしく爽やな渋みのきりっとした味わいで、日本でとても人気のある烏龍茶の一つです。
そのお茶を紫砂茶壺で淹れる事により、ふくよかな香りと味わいを更に引き出したいと思います。ぜひ「濃蜜幽蘭」と称される余韻をお楽しみ下さい。
【青茶・中国】 武夷岩茶(夜来香) 淹れ手:中山理恵
武夷岩茶の故郷は世界遺産に指定された景勝地です。切り立つ岩肌から沸きだす水で育つ茶は、岩韻と呼ばれる深い味わいがいつまでも残ります。数ある岩茶の中でも花の名を冠した夜来香は甘く香り高く飲む人を誘ってくれます。ひとときこの夜来香に酔ってください。
【青茶・台湾】 文山包種茶 淹れ手:若井桂子
台湾新台北市に産する文山包種茶は発酵度が低く、緑茶に近い味わいが親しみやすい、いつでも気楽にいただける烏龍茶です。元々は福建省のお茶で、紙に包まれて売られていた「包種茶」が、台湾に渡り、日本人も関わった素晴らしい改良を経て今に至っています。別名を「清茶」と呼ばれる、爽やかで蘭の花のような馥郁とした花の香り、透明感のある黄みどりいろの水色、ほのかな甘みを初夏の茶席でぜひお楽しみください。
【青茶・台湾】 木柵鉄観音 淹れ手:佐藤正夫
木柵鉄観音は清朝末期、台湾木柵の張兄弟が福建省安渓より千本の鉄観音茶の苗木を持ち帰り、木柵の地で栽培をしたことがはじまりです。萎凋に十分の時間をかけて発酵させ、揉捻を何度も重ね形を整え乾燥し作られます。
形は青茶のように、丸く固められていますが、色は発酵度が高いため茶色が濃くなっています。果実系の芳香とわずかな酸味が特徴です。近年は良質な木柵鉄観音の生産量が少なくなり、高価なものになってきています。
【青茶・台湾】 東方美人茶 淹れ手:小林真由美
東方美人茶は、台湾の烏龍茶の中でも美しい五色の色を持つ茶葉であり、蜜のような甘い香りと味わいが印象的で、一度出会えば美人の虜になると言われています。
台湾桃園縣亀山郷にある有機栽培の茶園で手摘みされたこだわりの東方美人茶です。
実は年に一度しか作られない希少なお茶であり、2010年6月に収穫されました。一年を経過したことで、よりまろやかな味わいをお楽しみ頂けます。初夏が似合う美人茶との甘い時間をお楽しみ下さい。
【青茶・台湾】 高山烏龍茶 淹れ手:佃 佳樹
高山烏龍茶は、台湾の中央山脈に沿った標高1000m以上の地域で作られる烏龍茶のことです。この標高1000m以上の地域では、一年中霧が発生し茶葉の水分が一定している。
また昼夜の温度差が激しいので茶葉に養分が凝縮するために濃厚な味と甘さ、豊かな香りを持つ良質の茶葉が生育いたします。まさに天空の恵みのお茶です。
この茶葉を手摘みで摘み取り、丁寧に製茶して、丸く固まった形状に仕上げます。
高山烏龍茶の中でも特に有名な阿里山または杉林渓の茶葉を選定しておりますので、当日のお楽しみとさせて下さい。
台湾の天空の清々しい味わいと甘くいつまでも漂う香りをお楽しみ下さい。
【プーアル茶】 棗香磚茶 淹れ手:平川真樹
雲南省で1970年代に辺境に出荷する南路辺茶として作られ、新疆ウイグル自治区に運ばれた磚茶が、90年代に香港に渡り、日本に来たプーアルの熟茶です。
茶はレンガの様な形になって包まれています。長い旅路を経たお茶ですが、保存状態もよく、透き通るような栗色の水色で、口に含むとやわらかくやさしい口当たりと棗のような甘い香が立ち上ってきます。
お茶とともに歴史や時代背景も感じていただければと思います。
【プーアル茶】 不知年プーアル茶 淹れ手:東塚洋子
今から20年ほど前に雲南省で「50年以上寝かせたもの」です。
「越陳越好(ゆえちんゆえはお=古ければ古いほど良い)」と言われるプーアル茶の中でもこれほど古いお茶は珍しいのではないでしょうか。
まろやかで甘く、とても飲みやすいので通の方はもちろん、初心者の方も楽しんでいただけると思います。
茶藝披露
【蓋碗茶藝】 淹れ手:高橋 麻由美
今回、天空茶会で表演茶藝の機会を頂きました。
中国茶会いろいろとうかがいます、いれ手と客が語らいながら茶を味わう…楽しい一時、それとはまた一味違った、音楽に合せ創作した独自の茶藝をご覧下さい。
お茶は老樹白葉單叢をおいれします。
【蓋碗茶藝】 淹れ手:師岡洋一
〇テーマ「心の絆の〇」
東日本大震災で被災された皆様、わたくしは茶人として茶の持つ心「暖かい温もり」「やさしい語らい」「すがすがしい未来」を創造し本日天空茶会にご参加いただいた皆様とご一緒に「心の絆の〇」をお茶に託し呈茶させていただきます。
「心は一つ」よろしくお願い致します。
〇使用茶葉:文山包種茶・産地 台湾(坪林地区)
台湾を代表する茶葉で清らかな清流と自然林に育まれた優しい香りと、清流に似た滋味は心を真綿に包む暖かさを感じさせてくれます。/明日の活力を感じていただければ幸いです。