天空茶会 第二十四葉 各茶席のご紹介

 1つの茶席で2種類のお茶+簡単な茶菓子付き

  各席とも2人の淹れ手が趣向をこらした茶席にてお迎えいたします。

  さまざまな味わいの中国茶をお楽しみください。

 

茶席1 湖緑 こりょく

■明前都匀毛尖 めいぜんといんもうせん 緑茶(大陸)

 淹れ手:山川幸代

都匀毛尖は貴州省黔南布依族苗族自治州都匀市産の緑茶です。少数民族が多く暮らす風光明媚な高地で作られ、中国十大銘茶にもたびたび名の挙がる高名な茶です。今回は2025年の一番摘みをご用意しました。一芯一葉の新芽がふっくらと美しい形をしています。口に含むと柔らかく滑らかで、花のようなナッツのような、トウモロコシのような甘い香りがたのしめます。

湖緑の席でお待ちしております。緑茶の香りでおくつろぎください。

■雲南・金芽茶 うんなん きんめちゃ (紅茶)

 淹れ手:横倉志津子

製茶:2024年春

雲南省は茶の原産地として知られ、プーアル茶の産地として有名です。雲南紅茶は、中国紅茶の中でも力強い味と香りで独特な地位を占めています。

この金芽茶は、金芽(金毫、ゴールデンチップ)が多く含まれており、手間暇かけて製茶された逸品です。オレンジがかった明るい紅色の水色、栗のような甘い香り、濃厚で蜂蜜を思わせる甘味など、複雑な味わいがあります。

白居易が「憶江南」で、「春来江水緑如藍(春が来て川の水は藍のような緑色)」と表現した湖緑を茶席名としました。水辺を思い浮かべながらお茶を飲むひと時をご一緒にどうぞ。


茶席2 万緑 ばんりょく

■石古坪烏龍 せきこへいうーろん 烏龍茶(大陸清香)

 淹れ手:佐藤正夫

製茶:2024年5月

産地:広東省潮州市潮安区石古坪村

広東省潮州市鳳凰山系の東、大質山の中腹にある石古坪村で作られている石古坪烏龍は、この地に古くから住む少数民族畬(シェー)族が作るお茶で、烏龍茶の起源のひとつと言われているお茶です。軽発酵ですっきり感が特徴ですが、芳香があり透明感のある水色で渋みも少ない烏龍茶です。生産量が少ない為、希少なお茶になっています。潮州鳳凰山地区のお茶は、現在では鳳凰単欉がとても有名ですが、歴史ある石古坪烏龍をどうぞお愉しみ下さい。

■重焙煎凍頂烏龍茶 じゅうばいせんとうちょううーろんちゃ 烏龍茶(台湾濃香)

 淹れ手:新井方寸堂

凍頂烏龍茶は台湾南投県鹿谷郷凍頂山標高800mで採れる台湾のお茶の中で長い歴史を持つお茶の一つです。標高があまり高くなく日照も比較的多いながら適した土壌を持つことからこの地ならではの味わいがあり、昔から良い茶葉が採れます。今回お出しする「重焙煎凍頂烏龍茶」は焙煎工程がお茶屋さんこだわりの加減でお店で焙煎を施しており絶妙な甘さを引き出しております。口に広がる余韻をどうぞお楽しみください。


茶席3 奏〜kanade〜 かなで

■紅烏龍茶 べにうーろんちゃ 烏龍茶(紅烏龍系)

 淹れ手:まゆりん

製茶:2024年

産地:台東縣鹿野郷 

台湾の紅烏龍茶は重発酵、重焙煎でつくられる烏龍茶で、外観は半球形でワイン色の艶を有し、水色は赤を帯びたオレンジ色、熟した果物のような香り、甘露な味わいが楽しめる最近台湾で人気の烏龍茶です。

今回、天空茶会の為に用意したのは、鹿野郷で紅烏龍茶の自然農園で作られ、iTQi(国際味覚審査機構)で最高賞の三ツ星を受賞したおすすめの紅烏龍茶です。

お茶の奏でる音や香り、味わいを五感を意識しながら一緒に楽しみましょう。

■武夷正岩茶 白瑞香 ぶいせいがんちゃ はくずいこう 烏龍茶(岩茶系)

  淹れ手:美風香

製茶:2023年

産地:福建省武夷山

福建省北部の武夷山は地殻変動により海底から隆起してできた岩山です。連なる岩山に茶樹が根付き豊富なミネラルを吸収して生育する岩茶は、岩韻と呼ばれる独特の味わいと余韻が続きます。

今回ご用意した岩茶は、馬頭岩茶村に代々伝わる茶農の祝老師が作りあげた白瑞香です。

沈丁花に似た香木系の落ち着きのある花香とやわらかな甘味をどうぞお愉しみください。 


茶席4 山音 やまおと

■樟樹湖高山茶 しょうじゅここうざんちゃ 烏龍茶(台湾高山)

淹れ手:吉田エンジェル真樹

台湾嘉義県阿里山の標高1300mから1600mに位置する樟樹湖茶区は昼夜の寒暖差が大きく、濃い霧に包まれ、水が澄んで多くの森林があり山の香気がとても良いです。

そんな土地で作られた金萱種の高山茶は派手さはありませんが、渋みや雑味がなくすっきりとしていて、まるで自然の豊かさを茶葉の中に閉じ込めたような味わいです。

一口飲めば原生林の森の青々とした香り、柔らかなとろみと山の清々しい空気と大自然の余韻を味わえ、その土地に行った事がなくともまるで風景が目の前に広がるようです。

■白毫銀針 はくごうぎんしん 白茶(大陸)

 淹れ手:胡優

製茶:2018年

産地:福建省福鼎市

白茶は「一年茶、三年薬、七年宝」とも言われ、時を経るごとにその価値が高まるとされています。

中でも代表的な白毫銀針(はくごうぎんしん)は、春に芽吹いた若芽だけを丁寧に摘み取り、繊細な工程で仕上げられます。白く美しいうぶ毛(白毫)に覆われた芽は、まるで銀の針のような見た目からその名が付きました。清らかな香りと、まろやかでやさしい味わいが特徴です。

白茶の名産地として知られる福建省福鼎(ふくてい)市で2018年に製造された白毫銀針。

「宝」と呼ばれる段階に入り輝きを増した一杯をどうぞご賞味ください。 


茶席5 清翠 せいすい

■三峡碧螺春 さんきょうへきらしゅん 緑茶(台湾)

 淹れ手名:茶米

碧螺春の「碧」は綺麗な緑色、「螺」は螺旋状の外形、「春」は春の柔らかい新芽を意味しています。

碧螺春は中国十大銘茶の一つに数えられる緑茶ですが、今回は台湾の新北市三峡茶区で生産された三峡碧螺春をご用意しました。

清明節前の今年3月に初摘みされた明前茶です。明前茶は気温が低い時期にゆっくりと成長した新芽を使用しているため、滋味豊かなお茶になるといわれています。品種は稀少な青心柑仔。

新茶らしいフレッシュな風味と上品な甘さ、緑茶特有の瑞々しい旨みを愉しめるこのお茶をぜひ味わいにいらしてください。

■烏崠単欉 東方紅 炭焙煎 うーとんたんそう とうほうこう すみばいせん

 烏龍茶(単欉系)                               

 淹れ手名:河野求実子

鳳凰単欉は、中国の広東省を代表する烏龍茶です。

鳳凰山脈の中でも、烏崠山と呼ばれる山は非常に標高が高く、樹齢数百年を超える老樹が沢山あり、特に優れたお茶が作られることで有名な産地です。

今回は潮州市鳳凰鎮烏崠山で作られましたお茶をご用意しました。

伝統製法である炭焙煎で仕上げられたクチナシのような天然のお花の香りと深い味わいを感じられるお茶をお楽しみください。


茶席6 嫻靜 かんせい

■四季春茶 烏龍茶(台湾中低地) 

 

■雲南野生餅茶 うんなんやせいへいちゃ 黒茶

 淹れ手:國枝ゆか

産地:雲南省西雙版納易武山

普洱茶の原料となるのは天日に干して乾かした緑茶です。水分と温度を適正に管理することで成分が変化した茶葉は渋みがやわらぎ、年月を経ることにより更にまろやかで豊かな味わいを生み出します。

ご用意したのは香港で創業60余年を迎えた茶荘の監製による普洱餅茶です。このお茶には古六大茶山と呼ばれる名産地のうち、最も有名とされる易武山の良質な茶葉が使われています。

20年ほどの時を重ねたこのお茶とともに、ゆるやかなひとときを皆さんとご一緒できましたら嬉しく思います。


 

※写真は前回の茶席の様子です