天空茶会 第二十葉 各茶席のご案内

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茶席1.【向暑】(こうしょ)

■蒙頂甘露(淹れ手:山川 幸代)

<緑茶> (もうちょうかんろ)

今年の春一番に届いた茶葉をご紹介します。四川省雅安市の名山区にある、

標高1400mを超える蒙頂山で作られる緑茶です。

蒙頂山は茶文化の歴史が古く、人工的な茶樹栽培がもっとも早く行われてきた場所です。

蒙頂甘露は産毛を多くまとい、くるりと丸まった茶葉はやわらかな新芽です。

三炒三揉という製法で作られた美しい茶葉も見どころの一つです。

味わいは舌にほんのりと甘く、清らかで豊かな香りが楽しめます。

本格的な夏を迎える前のひと時を、蒙頂甘露を楽しみながら

ゆったりと過ごしていただけたらと思います。向暑の席でお待ちしております。

 

■正山小種 小赤甘(淹れ手:平井 麻理)

<紅茶> (せいざんしょうしゅ  しょうせきかん)(ラプサンスーチョン シャオチーガン)

福建省の「正山小種 小赤甘」になります。

正山小種の茶葉は、松の薪で燻して、スモーキーな香りがする紅茶になります。

しかし「正山小種 小赤甘」の茶葉は、燻製の香りは致しません。

とてもフルーティーな香りがして、口当たりが良い甘い紅茶となります。

ぜひ、その香り豊かで滑かな「正山小種 小赤甘」を、味わいに来て下さいませ。 


茶席2. 【清麗】(せいれい)

■2023年 安吉白茶(淹れ手:中尾 結葉)

<緑茶> (あんきつはくちゃ)

お淹れするお茶は、今年摘まれた新茶の「安吉白茶」です。

浙江省湖州市安吉県で生産されている銘茶で、名前は白茶と付いていますが、製法は緑茶になります。

清々しさと透明感があり、甘みと旨みも堪能できます。

茶葉の形も美しく、鳳凰の羽のようであると称されているほどです。

今回はこのお茶の美しい姿かたちや色をご覧いただきやすいように、

ガラス製の蓋碗と茶杯を使ってお出しします。

味と共に目でもお楽しみいただき、爽やかさを感じていただけたら幸いです。

 

2003年 烏崠通天香(淹れ手:茶米)

<烏龍茶> (うーどんつうてんこう)

2003年に広東省潮州の烏崠山で作られた鳳凰単叢「通天香」をお淹れします。

烏崠山は鳳凰山脈のなかでも標高が高く、茶樹の成長に適した自然環境で、

高品質なお茶が生産されています。

鳳凰単叢十大香型の姜花香型に属し、香りが立ち上がることから名付けられた「通天香」。

20年の時を経て、より優しくまろやかな甘みと香りになったこのお茶は、

何煎淹れてもうっとりするような味わいが続きます。

時間をかけてゆっくり飲んでいたくなるこのお茶で、癒しのひとときをお楽しみください。

 


茶席3.【蝸牛】(かたつむり)

■東方美人茶(淹れ手:渡邉 誠)

<烏龍茶> (とうほうびじんちゃ)

東方美人茶(オリエンタルビューティー)。その魅惑的な名前とは裏腹に、

ウンカという小さな昆虫の被害により、商品として使い物にならなかった茶葉から

このお茶が誕生しました。

その後、蜂蜜に似た甘い香りと味がするこのお茶は、世界中に多くのファンを持つに至ります。

その本物の香りと味を求めて、今年のゴールデンウィークに

台湾の新竹県峨眉郷にある東方美人茶のお茶屋さん巡りをしてきました。

複数の自園自製のお茶屋さんで試飲を重ね、

その中でも一番のお気に入りを今回呈茶いたします。

ぜひ、皆様とこの香りと味を共有できたらと思います。

 

■忙肺古茶樹(淹れ手:佐藤 正夫)

<白茶> (ぼうはいこちゃじゅ)

呈茶する「忙肺古茶樹」は白茶です。

雲南省は普洱茶で有名ですが、緑茶・紅茶・白茶などもたくさん作られています。

月光白は雲南白茶として有名ですね。

白茶はほぼ萎凋と乾燥工程で作られ、殺青や揉捻工程が無いのが特徴のお茶です。

「忙肺古茶樹」は、雲南省普洱市の北に接する臨滄市の永徳県忙肺村の古樹から作られました。

すっきりと透明感のある水色で煎を重ねてもへこたれない優れ物です。

暑い日など水出しにするのも美味しい飲み方かも知れません。

 


茶席4.【翠紫苑】(すいしえん)

■雲南紅茶(淹れ手:横倉志津子)

<紅茶> (うんなんこうちゃ)

雲南紅茶は別名、滇紅(てんこう)とも言います。滇は雲南省の意味です。

茶の原産地と言われる西双版納(シーサンパンナ)は雲南省にあります。

雨量が多く茶樹に適した気候、土地柄である雲南省では、

普洱茶が有名ですが、紅茶も作られています。

大葉種という大きな葉の品種から紅茶が作られています。

今回、淹れる茶は、ゴールデンチップ(芽の部分)を多く含み、

栗のような甘い香り、渋みが少なくコクのある味をお楽しみ頂けます。

 

■2022年冬摘 玉山茶重焙煎 (淹れ手:新井方寸堂)

<烏龍茶> (ぎょくざんちゃじゅうばいせん)

茶席翠紫苑(すいしえん)では紅茶、青茶(烏龍茶)をお出しします。

今回選んだ青茶は玉山重焙煎

台湾のほぼ中心に巍巍として聳える玉山は標高3,900mの霊峰です。

気候峻厳、天空の入口のような風土で成長したお茶の葉は

その厳しい環境で育ったというにも関わらず、

暖かな季節の香花を匂うような甘美な薫り、

味わう人を心身共に溶かしてしまうような芳醇で優しい旨味を有しています。

さらに重焙煎に仕立てる事で香ばしさを加えて風味をなお一層引き立てます。

この玉山茶は去年来続く旱ばつによりお茶生産の甚だしく低迷する中、

茶舗の女主人が登山杖を握り自ら玉山を登り直接茶農家さんに頼んで

少量分けて頂いたという大変希少なお茶です。是非心ゆくまでご賞味ください。

 

 

皆様のお越しを一同お待ちしております!!

 

※過去の天空茶会より茶席イメージのご紹介です